「肩甲骨おとし」と「ポリモーダル受容器」
2007年11月15日の夕刊フジに「肩甲骨おとし」が掲載された。
最近は健康・スポーツなどの分野で「肩甲骨」が注目されるようになった。しかし、単独で「肩甲骨」を動かそう、体操しようとしてもなかなか動かせるものではありません。
「肩甲骨」が動かない、動かせないというのには「肩甲骨」が動かない、動かせない位置的な問題があるのです。身体全体を整えて「肩甲骨おとし」に取り組んでみてください。
私が「シコ座り」や「肩甲骨おとし」などの体操を考案するのには身体を定位置に収めるという目的があります。
例えば慢性的に身体の痛みがあったり、スポーツ動作で痛みが出る場合、肩甲骨や骨盤を身体の定位置ではなく不自然な位置に慣れて動かしていることが多い。「痛み」とは不自然な位置で動作をすることで負担のかかっている部位のポリモーダル受容器が興奮し痛みを知らせている。
ポリモーダル受容器は、その名称が多くの(poly)様式(mode)の刺激に反応するところに由来するように、機械的、化学的、および熱刺激のいずれにも反応を示し、幅広い刺激様式対応する受容器である。深部組織の体性系である骨格筋・関節、内臓系として腹腔からの降下臓器である睾丸をはじめ諸臓器においても見出され、広く全身に分布する感覚受容器である。幅広い刺激強度に応ずるという広作動域性を含め、この受容器の性質は、刺激様式、分布、強度の3つの「広さ」に特徴づけられる。
さらに、くり返し刺激に対して反応の再現性が悪く、刺激の性質を忠実に伝えるというよりも侵害刺激によって生じた組織の変化を伝える受容器といえる。この意味で、炎症など臨床的に認められる痛みに対する感覚受容器としてポリモーダル受容器が担う役割は大きい。(引用岩波講座現代医学の基礎脳・神経の科学Ⅰ-ニューロン)
「痛い」ということは何等かの組織の変化がある。身体の位置関係を調整し極力不自然な組織の変化を避け、不自然な刺激を受けないようにするのが体操を行う理由である。
「痛み」の治療でトリガーポイントを緩めて痛みが収まるケースがある。しかし、身体には想像以上に筋硬結が存在し不自然な刺激が加わればいとも簡単にトリガーポイントに転換する。慢性的に痛い、スポーツ動作で痛いという理由には動作入力のミスということを考えなくてはいけない。
治療と体操の両方が必要。自分のミスだからミスをしないようにすればいい。筋肉が固まりにくいポジションで動作することを考えれば身体は変わります。
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