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2009年5月11日 (月)

バスケの構え2

Aコーチのレポートです。

さて、都道府県対抗から約1ヶ月後、えにし治療院の中村考宏先生が「第9回骨盤起こしセミナー」を東京で開催されました。参加者は、スポーツの実践者のみならず、トレーナーの方や怪我のリハビリ中の方も含む多彩なものでしたが、特にスポーツ関連の参加者は「ゆる」や初動負荷理論、古武術なども並行して研究しておられる方々も多く、色々なアプローチ間の連関や差異、学ばれての実感など、セミナー自体の内容以外にも私には大いに勉強になりました。

5月中に2回、同様のセミナーが東京で催されますので、そちらにも参加するつもりでおります。なお、4月25日のセミナーに参加された方が書かれたレビュー等も、中村先生のブログ(「身体の研究」http://takahiro-n.cocolog-nifty.com/nakamura/)に掲載されていますので、ぜひご参照ください。同セミナーは、骨盤を起こすことや股割りが出来るようになることが直接の目的ではなく、バスケットボール特有の動きや構えなども踏まえた上で、筋肉や関節構造の解剖学的な深い理解に基づいたアドバイスを中村先生から頂きました。以下、前回のコメントに追加する格好で、バスケットボールの指導に役立ちそうな部分をまとめてみます。


1)動き出しを速くするための構え (→DFフットワーク)

「ディフェンス・フットワーク」のコラムの中の「ディフェンス・スタンスについて(1)」のコメントでは、合理的なディフェンス・スタンスとして、左右の足を狭すぎず広すぎないスタンスに取った上で、膝がつま先よりも前に出ないように、足首は浅く曲げるに留めた形で上体を前傾させ、太ももの前と後ろの両方の筋肉を動員すべきであると述べました。

これを基本線として、速く動くための合理的な姿勢を作ってみます。具体的には、骨盤を起こすのは容易でないので一旦棚上げにして(?)、まずは上体を前傾させる際に「背中を丸めない、かつ腰を反らさない、胸を前に出す」ことがポイントになります。腰の反りを防ぐには、腹圧をかけるのが有効です。これは、お腹を膨らましつつお腹の周囲の筋肉に力を入れるのであって、お腹を引っ込めてはいけません。胸を前に出す点に関しては、3)で詳述します。

腹圧をかけることの重要性に関しては、富士通Red Wavesのトレーナーの方が以前言及されていたのを覚えています(当然ながら筋力トレーニングに際してのコメントです)。また、腹部のインナー・マッスルを鍛えるアブドミナル・スクイーズとの共通性にも気付いていただけるのではないでしょうか。

今回の大発見というか頂いたアドバイスは、この姿勢において太ももの前の筋肉は弛緩させておくことが可能だということです。上述したスタンスで、体重を拇指球でもかかとでもない土ふまずの辺りに乗せると(フラット接地)、太ももの前の筋肉を手でプルプル揺らすことのできるリラックス状態にすることができるのです。ちなみに、ハムストリングの方もさほど緊張した状態にはならないはずです。OF のボール保持のタイミングに間に合うように、このリラックス・スタンスを取るようにできれば、素早い動き出しが可能になると考えます。なによりも疲れにくいので、ミニの子達には一番適しているかなと思っています。


2)脚を真直ぐに使う (→OFフットワーク)

最初のコメントで、「脚を真直ぐに使うことでフラット接地歩行(走行)になり、ハムストリングを使った効率良いストップ、ジャンプ、方向転換などが可能になる。また、この歩行/走行法でないと、股関節をスムーズに動かすことができない」と述べましたが、具体的にはどうすれば脚を真直ぐに使えるのか?

中村先生によれば、膝の向きと足の中指の向きがあうように歩くことが、脚を真直ぐに使う基本になるということです。結果的に足首は逆ハの字になり、膝はやや外側に向かって動く感覚があります。この「逆ハの字型のスタンス」に関しては、股関節をスムーズに動かせる構え・姿勢につながるもので、DFのパワー・スタンスにおいても両足のつま先が開くようにスタンスを取るのが良いと最初に述べたことと一貫性のある議論になっています。


3)腕の向きを意識する (→上半身の効果的な動き)

背中を丸めない、腰を反らさない、胸を張るという1)で述べた3点が同時に達成されると、立ち姿が美しくなります。ゲストブックにも書き込みましたが、藤浪トレーニング・マッチで毎年拝見している若水中の選手達の立ち姿が素晴らしいと思っていたところ、まさにこの3点が観て取れることに気付きました。

胸を張る(胸を出す;正確には胸椎を反る)ときには、肩と腕のを正しい状態に置くことが重要となります。具体的には、両腕の力こぶが正面を向くようにしますが、力こぶと手の平を正面に向けて腕を下ろした状態から、手首から先だけをクルっと回して手の平を足に向ければそうなります。上半身が安定し、胸をすぼめるのとは逆の強い力感が得られる感じがしませんか? 実際、この姿勢は最大の筋出力を発揮するのに適したものとされています。

例えば、力こぶと手の平を正面に向けて腕を(自分のシリンダー内を斜めに)下ろした状態で、かつ肘を軽く曲げると、スクリーン・アウト時の押し合いの際にDFが相手を抑え込むのに適した体勢が出来上がります。このことは、バスケットボール専門のアスレティック・トレーナー、ふきあげ接骨院院長の樺澤圭一先生の主宰されているブログ「バス・コン」(バスケットボール・コンディショニング)のコメントを読んで実践しつつあったアイディアに、理論的な基礎を与えてくれるものではないかとも考えています(URLはhttp://blogs.yahoo.co.jp/fukiagesekkotuin、当該記事のURLはhttp://blogs.yahoo.co.jp/fukiagesekkotuin/54062573.html、ふきあげ接骨院のHPはhttp://www.fukiage-sekkotsuin.jp/)。


これらの議論は、私の中では「拇指球への加重・腰の低い構え・そのための脚力養成」を最も善しとする伝統的な指導方法(の一つ)に対するアンチテーゼとして位置づけられています。もちろん、伝統的な指導法が全く無意味だと言っているわけではなく、「どんな時でも拇指球・構えは低ければ低いほど良い・上達の王道は脚力を徹底的に鍛えること」というような安直ないし極端なアプローチに異議を唱えているだけのものです。

私は現時点では、太ももの前面やふくらはぎの筋肉を鬼のように鍛えることでこれらを実現するよりも、もっと合理的かつ実践的なフットワーク指導法が存在するのではないかと考えています。最初に書きましたが、リラックスした臨戦態勢を作る、大きな筋肉の力やバネを利用する、偏った筋肉の使い方(→筋肉肥大)を防ぐ、可動域の大きい関節を中心にスムースに種々の関節を連動させていくという観点を重視していくことに変わりはありません。

なお、足首の背屈→すねの筋肉とハムストリングの収縮の関係 (背屈とはつま先を上げる動きで、私の中ではかかとからの着地における効率良い着地法につながっています)、足の親指側での着地による膝のロック (高跳びジャンプのメカニズムと直結します;衝撃の吸収という意味では膝が全てを受け持つので、いつでもこうすべきとは言い難いです)、足の小指側での着地を利用した股関節の外旋(足の小指と股関節は連動しているそうです)とそれによる素早いクロス・ステップ、といった応用例もありますが、更に研究を進めつつ機会があれば触れてみたいと思います。

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