« 【呼吸】の取り扱い注意/肺を機能させる骨格ポジション | トップページ | アスリートの深部感覚のズレ/位置覚、運動覚、重量覚 »

2012年9月 6日 (木)

スポーツトレーナーになるために必要な国家資格/マッサージ師or理学療法士か?

スポーツトレーナーになるにはどうすればいいのか、資格が必要なのか、
学生やインストラクターの方から質問を受けます。


私は、柔道の延長で柔道整復師の国家資格を取得し、
鍼灸あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得しました。
開業し仕事を続けていくうちにスポーツ選手の施術、トレーニング指導をしてきましたので、
あまり深く考えたことがありませんでした。


学生のときに関係法規を勉強しましたが、
スポーツトレーナーのことはよくわかりませんので調べてみました。


私の結論からいいますと、
スポーツトレーナーになるために必要な国家資格は、
あん摩マッサージ指圧師柔道整復師だと思います。
(*鍼灸治療をするのなら、鍼灸師が必要)


日本の法律で、「人の体に触れて医業類似行為を行うには、医療系の国家資格を保有する者に限る」と定められています。 つまり、医療系の国家資格を持っていなければ、アスリートの体に触れることができないということになります。


医業とは、業として医療行為を行うこと。
日本では、医業について医師法第17条に「医師でなければ、医業をなしてはならない。」
と定められています。


スポーツトレーナーの行う行為は、医業類似行為にあたります。
体操を指導するというのでしたらインストラクターで問題ありませんが、
アスリートのカラダに触れてスポーツマッサージを施すということでしたら医業類似行為に当たります。


医業類似行為(いぎょうるいじこうい)とは、「医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ、人体に危害を及ぼし又は危害を及ぼす恐れのある行為」である医行為を、「業、すなわち反復継続する意志を持って行うこと」である医業の周辺行為のことをいう。


医業の周辺行為を行うために必要な国家資格は、
あん摩マッサージ指圧師鍼師灸師柔道整復師になります。
スポーツマッサージを施すのでしたら、あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要ということになります。
*仕事として「~マッサージ」をヒトに施すためには絶対必要。
捻挫、打撲、挫傷など急性期外傷を扱うのでしたら、柔道整復師の国家資格が必要ということになります。


(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)
第一条 医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
第十二条  何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法 (昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。


最近は、理学療法士の病院外での活動がめだっています。
理学療法士の国家資格でもいいのでしょうか?


理学療法士(りがくりょうほうし、Physical TherapistまたはPhysio Therapist)は、医療従事者(コ・メディカルスタッフ)の一員であり、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、視能訓練士(ORT)と共に、リハビリテーション専門職と称されるうちの一つである。
*コ・メディカルとは、医師や歯科医師の指示の下に業務を行う医療従事者を指す。


「あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師、柔道整復師」と「理学療法士、作業療法士」の資格の意味合いが違います。
病院に勤めてスポーツ選手のリハビリをするということでしたら理学療法士の国家資格が必要になります。
私の知り合いの理学療法士たちは、法律上開業権がないということで、鍼灸あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師の国家資格を取得し、開業してスポーツ選手をみています。


「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示のもと「理学療法」を行うことを業とする者をいう。
(理学療法士及び作業療法士法 昭和40年6月29日法律第137号 第2条)
この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。


私が、この世界に入った20年前と今とでは、ずいぶん様子が変わってきているようです。
医療業界は、ビジネス色が強くなりましたし、サロン(整体やカイロプラクティックなど)が乱立し、国家資格を保有しているあん摩マッサージ師との区別が一般の方では難しくなりました。


私が、若い人にアドバイスするときは、
スポーツトレーナーを目指すのなら医療系の国家資格を取得すべき
と伝えます。
国家資格を取得するということは、医業の周辺行為を行うのに最低限必要なカリュキュラムをこなすということになります。
とくに、私の場合は解剖学実習を経験できたことがよかったと思います。
解剖学では単に筋肉や神経などの名称を覚えることが勉強ではなく、解剖学実習を経験することで献体してくださった方々とそのご家族の思い、ヒトのカラダというものが単に肉の塊ではないこと、ヒトというものの学びを深めました。
スポーツトレーナーといえど、人を相手にするわけですから大切な学びだと思います。


表現の自由ということがあります。
これは、好き勝手に表現してもいいという権利ではなく、好き勝手にしないで表現する権利あるのだと私は考えています。
法律というルールがありますから、医業の周辺行為を行うために必要な日本の権利を得て、そのなかで自分を表現できる技術のある人が、私はプロだと考えています。


以上のように、
私が考える「スポーツトレーナーになるために必要な資格」は、
あん摩マッサージ指圧師
柔道整復師
鍼灸を行う場合は、
鍼師
灸師
です。

“動き”のフィジカルトレーナー/鍼灸師/柔道整復師/中村考宏

« 【呼吸】の取り扱い注意/肺を機能させる骨格ポジション | トップページ | アスリートの深部感覚のズレ/位置覚、運動覚、重量覚 »

スポーツトレーナー フィジカルトレーナー」カテゴリの記事

えにしのつぶやき

  • 今日のつぶやきは・・。
フォト
無料ブログはココログ