2010年5月29日 (土)

大腰筋と腸骨筋のメカニズム

第一回構造動作(アナトミカル・アクティビティ)トレーニングセミナー開催にあたり、大腰筋と腸骨筋のメカニズムについて述べてみよう。

日本人はネコ背の人が多い。
ネコ背姿勢は骨盤が後傾している。
「骨盤後傾」は、足の付け根である股関節(ヒップ・ジョイント)を動かすための筋肉を固めてしまう。股関節を動かすための筋肉は大腿前面筋群、内転筋群、ハムストリングス、殿筋群(大殿筋、中殿筋、小殿筋)、外旋六筋、腸腰筋(腸骨筋・大腰筋・小腰筋)など。私たちは股関節にブレーキをかけ続けることで、人体構造上様々な問題に直面しているのである

問題の解決は、まず「骨盤立位」に正すこと。
そのトレーニング方法としていくつかの「骨盤おこしトレーニング」を紹介した。「骨盤おこし」は単に骨盤だけを修正するものではなく、腹、胸と胴体をワンセットとしてトレーニングするものである。足の付け根は股関節(ヒップ・ジョイント)なのだが、股関節を動かす筋肉は腹のレベルまで付着している。ここでは述べないが、腕を動かす筋肉も腹のレベルまで付着していることから胴体をワンセットとしてトレーニングする必要がある。

股関節を動かす筋肉で腹のレベルまで付着している筋肉には腸腰筋(腸骨筋・大腰筋・小腰筋)がある。「骨盤後傾」では腸骨筋が伸長、大腰筋と小腰筋が収縮で固められている。固めた腸腰筋を解除するためには、骨盤と腹の関係、強いては胸を含めた胴体の関係を正さなければならない。

腸骨筋

〔起始・経過〕腸骨の上縁および内面(腸骨窩)から起こり、下内側方に向かう。
〔付着〕大部分は大腰筋の内側に合し、一部分は筋裂孔をへて直接に大腿骨の小転子。
〔作用〕大腿骨を、外側方に転ずる。

Daiyoukin

日本人体解剖学第一巻医学博士金子丑之助著

大腰筋

〔起始・経過〕深・浅2頭を区別し、先頭は第12胸椎~第4腰椎の椎体および肋骨突起から起こり、深頭はすべての腰椎の肋骨突起から起こる。ついに、両頭は合して下外側方に走る(両頭の間には腰神経叢があり、両頭をへだてる)。
〔付着〕筋裂孔をへて、大腿骨の小転子。
〔作用〕股関節を屈し、大腿骨を前上方に挙げ、同時に外旋する。下肢を固定するときは、腰椎および骨盤を前下方に引く。

小腰筋

〔起始・経過〕第12胸椎および第1腰椎の椎体外側面から起こり、大腰筋の前面を下る。
〔付着〕腸骨筋膜に分散し、これとともに腸恥隆起にゆく。
〔作用〕腸骨筋膜を張り、腰椎を外側方にまげる。

参考日本人体解剖学第一巻医学博士金子丑之助著

腸腰筋(腸骨筋・大腰筋・小腰筋)の作用は上記を参考にしてください。

骨盤立位が維持できるようになると、腸骨筋の持続的な伸長状態が解除される。腸骨筋は内臓器等の重みを直接受けやすく持続的な伸長状態で固められていることが多い。内臓器が腸骨筋の負荷となる理由のひとつに大腰筋の持続的な収縮状態がある。腰椎を前下方に引くことで腹腔内が狭窄状態になり腹腔内圧が低下し内臓器は下方に落ちるのだ。大腰筋の持続的な収縮状態を解除するのには骨盤立位に加え、腹と胸の関係を正さなくてはならない。

腰椎や股関節等に起こる疼痛や機能的問題の多くは、人体構造に即した動きをしないためにおこる。

大腰筋と腸骨筋は「腸腰筋」として働くこと、強いては「身体」として働くことが大切だ。腸腰筋は深層筋であることから、直接的に筋肉を確認することは難しい。しかし、「身体」として骨格位置等確認すれば容易に「腸腰筋」の状態を把握することができる。何か身体にぎこちなさを感じたら、部分(腸骨筋や大腰筋)のトレーニングではなく、全体(身体)のトレーニングがいい。自分自身(身体)がより理解できるだろう。

文責 中村考宏
*掲載されたすべての内容について、無断転載、盗用等をを禁じます。

身体の治し方(姿勢センターJAPAN)
股割り(MATAWARI JAPAN)

Daiyoukin1_2 書名  :Grant's METHOD of ANATONY Tenth Edition
      著者  :J.V.BASMAJIAN
      出版社 :Williams&Wilkins

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2009年7月 6日 (月)

身体のあり方

身体の研究サブタイトルを「躰(からだ)」について語るweb-logから「身体のあり方を考える」に変えた。

このブログを始めてもうすぐ5年になる。当然、私自身も私を取り巻く環境にもずいぶん変化があった。ある物事の、当然そうでなければならないような形や状態。物事の、正しい存在のしかた現にある存在のしかた。ありさま。ありがたち。「身体操作」についてはずいぶん研究してきたが、もうこれでいいということはない。更に一歩進んで「身体のあり方」をテーマに研究を進めようと思う。

現在、私の関心事は「治療」「身体操作」「子育て」だ。そして、これらに共通するのは「身体のあり方」である。「身体のあり方」をテーマに研究するにあたり「環境」という大きな背景がみえてきた。私は「骨盤おこしトレーニング」を紹介しているが「骨盤後傾」と「環境」の関係が重要な課題だと考えている。

「骨盤後傾」とは「骨盤立位」に対し骨盤を後に傾けた位置である。私たちはこの「環境」の変化に気づかない。70度も90度も骨盤を後傾していたら、「何か変だぞ!」と気づきそうなもの、慣れてしまえばそれが当たり前になってしまうのだろうか。病気が増える。治らない。身体が動かない(動かし方がわからない)。子供が弱くなる。自分自身の変化に対して鈍感、これが現在の「環境」なのだろう。

世の中には様々な環境問題がある。難しいことは私にはわからないが、ひとつだけ感じることがある。様々な問題の一つ一つが無関係ではなくでつながっていること。私は治療士であり親なのだ。「病気が増える。治らない。身体が動かない(動かし方がわからない)。子供が弱くなる。」といった問題解決の方向性がわからないまま、未来の子供たちにバトンタッチするわけにはいかない。「環境」は自ら変える、「骨盤後傾」は自ら変える。Kotuban Kotuban70

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2009年6月16日 (火)

頸体角と前捻角

20090615180422

頸体角と前捻角をご存知でしょうか。

これらは大腿骨頸の角度で、これらの角度と骨盤角度により股関節動作の精度が決まります。

◆ご自身の頸体角と前捻角は何度でしょうか?

頸体角:大腿骨頸と大腿骨体のなす角度は頸ー骨幹角ともいわれるが、頸体角(傾斜角)という方が正しい。この角度は新生児では約150度であるが、3歳児では145度に減少する。成人ではこの角度は126度から128度の間にあり、老人では最終的に120度となる。
前捻角(ネジレ角):頸を通る直線と内側・外側両顆を通過する直線を設定し(大腿骨を上から見ると)、これら両直線は互いに交わり、ここにある角度が生じる。この角度はヨーロッパ人の平均では約12度である。この角度は4度から20度までの変動幅を示す。ネジレ角は骨盤傾斜と関連しているが、この角度によってはじめて股関節における大腿骨頭の屈曲運動から回旋運動への変換が可能となるのである。(解剖学アトラスⅠ 越智淳三訳)

◆頸体角と前捻角の関係は

頸体角が減少しすぎると前捻角の大小に関係なく股関節動作を制限する。大腿骨頸は捻れているのが自然であり、子供のように前捻角が大きくても頸体角も相応に大きければ股関節動作の精度はいい。

◆骨盤角度ー頸体角ー前捻角の関係は

変形性股関節症の場合、骨盤角度(骨盤後傾₋40度~₋90度)-頸体角(減少)-前捻角(幅がある)である。
日本人スポーツ選手股関節痛の場合、骨盤角度(骨盤後傾)-頸体角(減少)-前捻角(幅がある)である。

海外のスポーツ選手と日本のスポーツ選手の骨格(骨盤角度ー頸体角ー前捻角)の違いについてよく質問がある。私の考えでは日本人選手に比べ海外の選手は骨盤角度(骨盤立位±0)で頸体角の減少は少ない。

◆頸体角を減少させない

長期の動作習慣(動作癖)により大腿骨の頸体角と前捻角が作られる。つまり、大腿骨の形は自分の動作習慣(動作癖)を現しているのである。頸体角の減少原因は骨盤角度が大きく関与している。特に日本人は骨盤を後傾させる習慣により股関節(大腿骨頸)を常に圧迫している人が多い。股関節動作を制限しないよう頸体角を減少させない動作改善が必要である。

◆動作改善

  • 「土踏まず」に体重をかけない。
    「MP関節」に乗る「フラット接地」をこころがける。
    *拇指球に偏らず小趾球まで均等に。
    *足関節を外反させないこと。
    *長短腓骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋に偏らない(前脛骨筋)。
    *足趾・足底筋の収縮(特に小指)。
  • 足関節背屈動作および足関節伸展動作を行い併用しない。
    *内外反なく背屈する。
    *外反は小指屈曲で押さえ込む。
    *前脛骨筋による背屈(長短腓骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋ではない)。
  • 膝関節に遊びをもたせる。
    *膝関節完全伸展・過伸展で膝関節をロックしない。
    *膝窩筋を持続的に収縮させない。
    *大腿四頭筋を持続的に伸張収縮させない。
    *ハムストリングスを伸張させる。
  • 骨盤をおこす
    *以下、省略・・

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2009年5月25日 (月)

骨盤の角度

自分の骨盤の角度はどれでしょうか?
骨盤角度画像 作 中島章夫

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2008年12月12日 (金)

骨盤おこしと大腰筋

大腰筋は深・浅2頭を区別し、浅頭は第12胸椎~第4腰椎の椎体および肋骨突起から起こり、深頭はすべての腰椎の肋骨突起から起こる。両頭は合わさって下外側方に走り筋裂孔をへて、大腿骨の小転子に付着する。作用は股関節を屈し、大腿を前上方に挙げ、同時に外旋する。下腿を固定するときは、腰椎および骨盤を前下方にひく。

何年も前から大腰筋が注目され大腰筋の重要性が説かれてきた。
しかし、思うようなトレーニング効果が得られなかったとの声も多かった。

大腰筋は体幹・股関節の筋肉である。

股関節にブレーキがかかっていたら大腰筋はじゅうぶんに働かない。
股関節のブレーキとは骨盤後傾による股関節の圧迫である。
まず、骨盤をおこすことからはじめて股関節のブレーキを外すことが必用。

ブレーキが外れた目安は大腿四頭筋がゆるむのを確認するとよい。
大腿四頭筋の弛緩は大腿神経経路への過剰な入力がないことを意味する。
よって、大腰筋は働きやすい状態にある。

だが、大腰筋は体幹の筋肉でもある。
骨盤をおこすことに慣れたら同時に胸を出す(胸割り)、更に腹圧がじゅうぶんにかけれるようにするとよい(土台となる骨盤から腰椎、胸椎のポジションを作る)。
大腰筋が働きやすい環境(ポジション)を作ることが先決である。

一流スポーツ選手の大腰筋が発達しているそうだ。
一流パフォーマンスの原動力は大腰筋だ!
大腰筋を鍛えよう!!!
って、安易ではないですかぁ。

確かに大腰筋は身体の中心部にあって見えないし触りにくい筋肉なので重要なのかもと思えてしまう・・。
でも、一流パフォーマンスは身体(土台)から生まれるのだと思います。
大腰筋という単筋にこだわらない方がいいのではないでしょうか。

一流選手の派手な技(テクニック)や部分的に発達している筋肉に捉われないで、もっと大事なことを探してみてはいかがでしょうか。
これも、トレーニングの一つです(見取り稽古)。

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2008年10月 9日 (木)

脛腓関節

脛腓関節:脛骨の脛骨関節面と腓骨の腓骨頭関節面との間にできる半関節である。前腓骨頭靭帯および後腓骨頭靭帯により関節包をそれぞれ前・後両面から補強する。
膝関節の運動:下腿の屈伸を行うが、伸展と同時に下腿を少しく外側方に回旋し、屈するときは少しく内側方に回旋する。(日本人体解剖学第一巻医学博士金子丑之助著)

脛腓関節は膝関節回旋運動の補助的な役割を担い下腿部を回旋する。

足は股関節から動き、膝関節、足関節、趾節間関節へと連動する。
足に起こる様々な問題は、極端に一つの関節に頼りすぎることが原因だと考えられる。
この動作の流れを間違えて極端に膝関節に頼りすぎてしまえば脛腓関節の役割も補助だけではすまない。

足は足のように動かすことが大切である。

痛みや形(O脚、X脚)などの問題には必ず理由があるのである。
一つの関節に頼りすぎるということは、その関節に作用する筋肉に頼りすぎるということ。
動作を見直すとともに治療が必要でしょう。

足を足のように動かさなくなった背景には何があるのでしょうか。

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2008年9月30日 (火)

腕橈関節

腕橈関節:上腕骨小頭と橈骨頭窩との間にある球関節で、肘関節の屈伸運動にあずかるとともに前腕の回内に関与する。(日本人体解剖学第一巻)

上腕を正面に向ける

力こぶ(上腕二頭筋)が正面になるようポジションを作る。
これは、「肘をあげない」「脇を締める」「胸から行く」と表現されることが多いのではないでしょうか。
しかし、上腕を正面に向けるポジションは上腕のみの操作では上手くいきません。
まず、骨盤をおこして肩甲骨と骨盤の位置関係を整え肩甲骨から上腕を正面に向けます。

上腕を正面に向ける大切な理由は、体幹部の力を上手く四肢に伝えるためですが、もう一つの理由として正中神経経路を上手く使うためです。
正中神経は前腕において、回内運動と拇指、示指の屈曲および拇指の対立運動などのきわめて重要な働きを支配しています。

手の動き、腕の表現、痛みに深く関係のある回内運動をスムーズにしましょう。

大切なポイントは「腕橈関節」を動かすこと!!!

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2008年8月 7日 (木)

大腰筋と筋連結

ある解剖の先生から貴重なご意見をいただきました。

私がしっかり解剖した限りでは、横隔膜と大腰筋がつながっている感じはないように思います。
横隔膜が後方で2つの腱弓をつくります。内側に大腰筋が通り、外側に腰方形筋が通るわけです。しかし、この腱弓から大腰筋が起始しているということはありません。解剖不足ではないか、と思います。

「筋連結」なんてことないことですが、私にとっては重要なことでした。
これからは、もっと身体をシンプルに観ることができそうです。^^

昨夜、NHKのオリンピック特集でしょうか。
陸上100m走のパウエル選手と浅原選手の動作解析をやっていました。
パウエル選手の大腰筋は大きかった!

違いは何か?

日本人選手が大腰筋をもっと生かそうとした場合、
骨盤前傾角度をつける必要があると思います。
そのためには、股関節と足関節の可動域を上げるトレーニングをする。
次回・・。

骨、筋肉、関節、それぞれに役割があるわけですから偏らないのが1番です!

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2007年12月 7日 (金)

顎開脚(あごかいきゃく)

素敵な先生が顔体操をしているのをテレビで見た。
ヨーガの先生か!?

普段使わない顔の筋肉をいろいろな方向に動かすことはいいことだと思う。
いろいろなパターンがあるようなので、続けれるかなと思うような人は「口を大きく開くこと」をつづけてみるといい。
特に顔の関節、顎関節は固い人が多い。
股関節をやわらかくするのに開脚をする。
つまり、開く。
顎関節も開けばいい。
だけど、大きく口を開けられない人が多いのです。
顎も股と同じでストレッチを続けていれば開くようになります。

顎関節

私は股割りをしている時に大きく口を開く。
顎関節も動きやすいポジションがあるので骨盤をおこして、口を開くと開きやすい。
椅子に腰掛けているのであればシコ座りで口を大きく開ける。

美容にも健康にも身体操作にも大切な関節です!

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2007年11月 6日 (火)

内転筋群のストレッチ

骨盤と大腿骨と内転筋群の関係を探る。

内転筋群とは開脚や股割りをしたときに大腿の内側部でつっぱって痛くなる筋肉だ。筋肉の性質を考えないでストレッチしていたころは縮んで硬くなっているのだからとにかく伸ばせばいいのだと思っていた。

このストレッチの考え方は乱暴すぎた。縮んで硬くなっている筋肉に対し、何故?縮んでいるのかを考えることに気づかなかった。

物ではなく生身の身体。縮む理由があって縮んでいる筋肉に対し、伸ばせばいいという安易なストレッチ方法では身体が反発するのは当然だった。

内側大腿筋(内転筋)
内転筋群は、膝関節の伸筋と屈筋との間にあり、3層に区分される。

第1層

恥骨筋
〔起始・経過〕恥骨上枝、恥骨櫛、恥骨靭帯から起こり、股関節の内側を下る。
〔付着〕大腿骨の恥骨筋線〔小転子の下方で、粗線内・外側唇の中間部をほとんど垂直に走る)。
〔作用〕大腿を内転、かつ屈する。
〔神経支配〕閉鎖神経、大腿神経。
〔血管支配〕外陰部動脈、内側大腿回旋動脈、閉鎖動脈。

薄筋〔旧名:大腿薄筋〕
大腿の内側を走る細長い筋。
〔起始・経過〕恥骨結合の外側縁から起こり、大腿の内側を下り、その下半で腱となる。
〔付着〕脛骨の上縁で縫工筋付着部の後方につく。
〔作用〕大腿を内転し下腿を屈し、かつ内方にまわす。膝関節を伸ばすと下腿の位置を固定する。
〔神経支配〕閉鎖神経。
〔血管支配〕外陰部動脈、大腿深動脈、閉鎖動脈。
〔備考〕縫工筋、薄筋および半腱様筋の腱は、さらに大腿筋膜および下腿筋膜と癒合して鵞足をつくる。

長内転筋
三角形、扁平な長い筋。
〔起始・経過〕強い起始腱をもって恥骨結合前面と恥骨結節とにわたる三角形の面から起こり、外側下方に向かって拡がる。
〔付着〕大腿骨の粗線内側唇の中部1/3につく。
〔作用〕大腿を内転し、これを屈し、同時に外側方にまわす。
〔神経支配〕閉鎖神経。
異常:長内転筋は、往々血管に貫かれ、2部に分けられる。

第2層

短内転筋
恥骨筋および長内転筋に被われた扁平三角形の筋。
〔起始・経過〕恥骨結合と恥骨結節との間から起こり、外側下方に向かって拡がる。
〔付着〕大腿骨の粗線内側唇の上1/3。
〔作用〕大腿を内転、かつ屈し同時に外側方にまわす。
〔神経支配〕閉鎖神経。
〔血管支配〕大腿深動脈、外陰部動脈、閉鎖動脈。

第3層

大内転筋
内転筋のうち最も強大なもので、上内側から外側下方に向かって扇状に拡がる。
〔起始・経過〕坐骨下枝の前面、坐骨結節の下面から起こり、外側下方に向かう。
〔付着〕大腿骨の粗線の内側唇、小転子から内側上顆まで。
〔作用〕大腿を内転する。
〔神経支配〕閉鎖神経、またしばしば脛骨神経。

小内転筋
大内転筋の最上部とみなされる筋で、しばしばこれと分離しがたい。
〔起始〕坐骨下枝および恥骨下枝。
〔付着〕大腿骨の粗線内側唇の上端および殿筋粗面の傍ら。
〔作用〕大腿を内転し、これを屈しかつ外側方にまわす。
〔神経支配〕閉鎖神経の後枝。

引用日本人体解剖学第一巻医学博士金子丑之助著

骨盤と大腿骨のポジションからみると、骨盤が定位置に収まっていれば内転筋群はやわらかく、骨盤が後傾していれば内転筋群を収縮させながら伸張するという相反する力関係により固められる。

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