2010年3月 1日 (月)

腰割り

腰割り運動を行うときのポイントは、まず「どのような目的で運動を行うのか?」ということが大切である。スポーツ選手なら下半身強化、女性ならスリムなボディ、関節痛などある方ならリハビリと目的は様々だが下半身強化とは?スリムなボディとは?リハビリとは?身体をどのような方向性で運動していくのか?などより明確な目的が必要になる。

下半身強化は下半身をどうしたい?一般的に「筋力強化」というような漠然とした目的が多い。「筋力強化」とは筋肥大させるのか?筋機能(筋収縮ー筋伸張)を高めるのか?を明確にしないと「下半身強化」の目的が異なってしまう。スリムなボディ、リハビリにも同様のことがいえる。筋肥大させたボディはスリムなのか?筋肥大させるリハビリは余計な関節負荷にならないのか?など、明確でない目的の運動は思いもよらない結果を招いてしまうことがある。

腰割りは「筋肥大」が目的でない。従って、特定の筋肉をターゲットにしない。特に「大腿四頭筋強化」に意識をおいてしまうと身体機能を低下させてしまうので注意したい。一般的に太もも(大腿四頭筋)を鍛えることがいいと思われているが誤解である。大腿四頭筋の「筋肥大」は「股関節」の動きを制限し可動域を狭くしてしまう。「股関節」は上体と下肢を結ぶ人体の中でも最も重要な関節であり、「股関節」の柔軟性を失くしてしまってはもともこもない。

腰割りのやり方は簡単に言うと「人の字に立ったポジションから真っ直ぐ上体を沈める」(股関節外転外旋、膝関節・足関節屈曲運動)である。腰割り本来の運動目的は股関節外転外旋、膝関節・足関節屈曲運動を正しく行うこと。私たちは日常的に身体本来の動作を無意識に間違えて行い身体に様々な問題をおこす。腰割りなどの運動は身体を正すものであり、一般の私たちばかりではなく一流のプロスポーツ選手たちでさえ「無意識の間違い」をたくさん持っている。「無意識の間違い」を正すことは結果的に自分(身体)を高めることになる。

腰割りの運動中に気をつけることは「1.骨盤をおこす」「2.土踏まずを踏まない」ことの2点がある。「1.骨盤をおこす」ことは一般に「腰を入れる」や「骨盤・腰を立てる(真っ直ぐ)」と表現される。しかし、言語表現は難しく腰椎などの関節に余計な負荷をかけて運動している場合が多い。腰割りは身体を正す運動であり各関節に余計な負荷をかけないよう骨格位置に十分注意する必要がある。「1.骨盤をおこす」場合、曖昧な言語表現よりも「坐骨結節」を骨指標にするとよい。骨盤をおこした骨盤立位では「坐骨結節」は真後ろを向き、太もも前面(大腿四頭筋)はゆるんでいる。腰割り運動の立位ポジションは肩幅よりも広めに足幅をとり、「坐骨結節」は真後ろを向き太もも前面(大腿四頭筋)がゆるんでいる骨盤立位である。「2.土踏まずを踏まない」とは文字通り土踏まずを踏まない。つまり、土踏まずに体重をかけて足底アーチを崩さない。足は第二の心臓ともいわれるが、土踏まずを踏んで足底動静脈・後脛骨動静脈を圧迫し血流を阻害してしまっては心臓に負担がかかり健康に悪い。そして、土踏まず側の内側加重は膝が内に入り膝関節の故障の原因にもなるし、股関節外転外旋運動を行いたいのに股関節外転内旋運動になってしまい股関節の動きを制限してしまう。

腰割りの上下運動は立位ポジションから上体を膝関節屈曲90度ぐらいまで沈め、更に沈めながら大腿の伸張反射でバウンド(伸張反射)し立位ポジションに戻る。腰割り運動時の筋肉の働きは各関節屈曲時大腿四頭筋とハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)は伸張される。これらの筋肉は弓と弦のような関係で弓を張る際は股関節と足関節の屈曲が必要である。しかし、上記で述べた骨盤立位でないと股関節の伸展要素が強く股関節屈曲が不十分になり伸張反射は期待できない。

腰割り運動は「無意識の間違い」を正す運動であり運動回数で効果が上がるわけではない。

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